2008年03月07日

赤銅の帯留製作工程!

赤銅で帯留作りましょう。 独特の深い色あいの赤銅。 キャー企業秘密満載かも!

まずは、地金をなまします。

そろそろウチの赤銅の地金も尽きてきた。 しばらく買ってないけど、今いくらぐらいなんだろ?

今回作るのは扇面です。

糸鋸で切り出します。

ヤスリで平らにしましょう。

裏は銀を貼るので、同様に切り出します。

銀もヤスリがけして、

4分ロウでロウ付けします。

ウチはロウ付けもとっても上手です。(^^)

希硫酸ではだします。

今回は2個用意しました。

赤銅のカタチにあわせて銀を切り取ったら、 軽くアーチをかけます。

で、帯〆を通す金具をロウ付けするワケですが、 金具を使いきってしまってました。

仕方ない、作りましょうか。 まずは銀を溶かしてあけ型に流します。 写真では分かりづらいですけど、赤丸の中に流し込んだ 地金が見えてます。

ローラで伸ばします。

手作業で全部作ってるんですよ、びっくりしたでしょう!?

コチラも、赤丸の中に地金が伸ばされて顔を出してる様がうかがえます。

ここからかなり大変です。線引き板という道具を使います。

分厚い鉄板に穴が大→小の順にたくさん開いています。ここに、棒を通して、エイヤッ!と引っ張るとキレイな棒(線)が出来るのです。これを必要な太さになるまで番手を落としていきます。

帯留用の線は甲丸なので、大変さ倍増です。ヒーコラです。

できあがった甲丸線を短く切り、ウチオリジナルの帯留用ジグにあてて、形作ります。

くどいようですけど、全部手作業です・・・。(^^;

コの字形に整形して完成。

たくさんできた。けど、すぐなくなっちゃうんだよなあ。

刻印打ちます。

よく見えないですけど、赤丸の中に「銀製」と打ってます。最近は「SILVER」と打つことが多いですけど、今回は純和風で。

金具をロウ付けしましょう。

5分ロウですね。

再び、希硫酸ではだします。

お風呂上がりみたいにサッパリです。

希硫酸といえば、昔、同業関係の人から「希硫酸の濃度って どうやって確かめるの?やっぱり舐めてみて?」と聞かれた コトがあります。ボクは絶対そんなコトするのイヤです。 (^^;

表面が微妙にデコボコなので、ヤスリで平らに しましょう。

砥石で研いで、ヤスリ目をとります。

さらに、炭でとぎます。

実はあんまりこの段階では必要ないんですけど、つい やってしまいます。

彫金という仕事はあんまり手が汚れないのですが、 この作業の時だけは真っ黒になります。 職人さんっぽい感じです。

キレイになりましたね。

絵付けをします。

面相に墨で描きます。使ってる硯は超小型で、 なかなかいい硯です。

筆も硯も仲間から買ったもの。 恵まれてますよね。

ヤニ台に固定しました。

図案は見にくいですけど、鳳凰です。 トラディショナルな感じでいってみました。

片切り彫りです。

まずは大まかな線をあたっていきます。 コレで一旦砥石で研いで、「かえり」と残った墨を とります。

全体を見ながら、彫りをさらにすすめます。

一彫入魂!で彫りあがり

落款いれます。

仕上げに移りますが、ヤニがついているので、とります。

大まかにとったあと、完全に取るためにシンナーに浸けて おきましょう。

ホッと一息。

いよいよ、仕上げ。

重曹でキレイにしておいて、沈金をします。

メッキも自分ちでやるんですよ。

表面を研いで磨く作業のあいだで沈金の部分が 落ちてしまわないように、セラックニスで 囲っておきます。

厚めにたっぷり塗って乾かします。

しっかり乾かさないと、はげてしまうので、 じれったいですけど、最低でも2~3日は乾かします。

しっかり乾いたら砥石と墨で研いでいきましょう。 ラックを剥がしてしまわないように、気をつけて。

いいですね、ピカピカです。

灰汁でラックと脂けを落とします。 さらに、重曹等を駆使して脱脂。 これがとても大事です。ここでしっかり 脂分を落とさないと、色がキレイにつき ません。

さあ、色つけしましょう。

大根おろしにつけて、

秘伝のタレ (^^; で煮て

重曹で磨く。

コレを繰り返します。

大根おろしは被る(表現難しいんですけど、銅の色が出て きちゃうような状態のことです)のを防いでくれるんです ね。どの成分が働くんだろ?やっぱりジアスターセ?

で、赤銅の場合、15分ほどやってると、トロリとした いい黒になります。

そして、とうとう・・・、

完成! いい感じじゃないですか。 赤銅やっぱりイイですね。 苦労して作った甲斐があるってもんです。