彫金の制作工程
1.図案描き
なにを作るにしてもまずは画を描きます。 写実的なものはもちろん、抽象的な模様でも最初に画を描きます。 この時最終的にどのような彫りをしてどのような彫金作品になるかを想像しながら描きます。
2.地金取り
図案を基準に地金を用意します。 金属の種類はおもに金・銀・銅・鉄など。 図案や彫りの種類などを考慮しながら地金の種類や硬さ厚みを選択します。 地金が用意できたら図案にあわせて切り出します。
3.なまし~ヤニ台に固定
切り出した地金を火にかけてなまします。 金属が膨張するのでやわらかくなり作業性がよくなります。 地金に図案を貼る・描きうつすなどを行い、ヤニ台に固定します。
4.タガネによる彫金
多種多様なタガネと金鎚を駆使し、いよいよ金属に彫刻を施します。 彫りの種類は"片切り彫り"・"肉彫り"の2種類に大まかにわけられます。 どのような技法・タガネをもちい彫りわけるかが彫金家の感性・技術の見せ所です。 必要に応じ作業によって硬くなった金属をなますのを繰り返しながら彫りを進めていきます。
5.金具ロウ付け
彫りが終了したら裏板・ブローチピンや丸カンなどの金具を用途にあわせてロウ付けという溶接をします。 必要に応じて金具自体も制作することがあります。
6.仕上げ
専用に調合された薬品等をもちいつつ、どのようにしたらその作品が1番輝くのかということを最大限に考慮しながら仕上げを施します。 最後に重曹で磨いてから金属ヘラで陰影とコントラストをつけていきます。
7.完成
金具の付属品を取りつけたり、さび止め用のコートをかけたりしたあと全体を入念にチェックして完成です。